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高齢者医療と福祉 (岩波新書)
高齢者医療と福祉 (岩波新書)
高齢者医療と福祉 (岩波新書)
岡本 祐三
定価: ¥ 819
販売価格: ¥ 819
人気ランキング: 25788位
おすすめ度:
発売日: 1996-08
発売元: 岩波書店
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
高齢者医療と福祉のレビュー
高齢化社会における家族とは,外部サービスの援助なしには成り立たない,今までに存在しなかった新たな人間関係なのだという,衝撃的なメッセージを発している.92年の厚生省の調査は「寝たきり期間」が約半数で3年以上に及び,1年以上は8割弱に及ぶこと,また介護者の約半数が60歳以上であることを示している.働き盛りの人たちに対する介護の影響も大きく,大企業の管理職を対象に行われた調査(1993)によると回答者の大半が,自分や妻の親などに介護が必要な人がおり,その6割が仕事になんらかの悪影響を被っている.重い高齢障害者の介護の場合,介護している家族は24時間拘束される精神的重圧の上,夜昼とない介護仕事の重荷を背負わされる.それはまさに拷問のような辛苦だそうだ.家族内でこれに対処しようとすることには限界がある.そして,これを社会的に受け止めることが可能であることを北欧諸国は示した.
老人介護問題が生じた社会的経緯,日本の老人福祉の歩み,介護の家族神話が幻想であること,このまま老人問題を医療まかせにすると病院がその機能を失いかねないこと,福祉亡国論に根拠がないこと,福祉が経済を成長させることなどについて実例やグラフ/表を多用して分かりやすく示している.
現代では8割の人が65歳まで生きる(2010年には9割).皆がいずれ高齢者になるのだという自覚を持つ必要がある.高齢者福祉の問題は私たちみんなの問題なのだと訴えている.
高齢者福祉の政治的な動きが活発だった1996年に出版された本である.
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